サウジアラビアの経済を握る脱石油政策と今後のサウジ情勢の行方

石油の産油大国であるサウジアラビアはOPEC加盟国でありリーダー的な立場の国でもあります。

原油産出国にとって原油の価格は国家の経済を握るものであり現在は国家歳入を全面的に石油に依存しているといえます。

サウジアラビアの経済を握る今後の脱石油政策と今後のサウジアラビアの情勢の行方について説明します。

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原油市場の歴史

1979年のイラン革命、その後のイランイラク戦争により第二次石油危機があり原油価格は急騰しました。

それまでは原油価格を大手石油会社やOPEC加盟国がコントロールしていました。

この石油危機により、OPEC非加盟国が原油の増産をしたことや先進国が原油需要を減少させたことでOPEC加盟国が支配できない市場になりました。

また供給が増えすぎたためあまった原油がスポット原油として価格変動危機を減少させるために取引されるようにもなりました。

1980年代になるとOPEC以外の原油生産が活発になり、欧米の原油市場誕生により原油価格が市場に影響されるようになり経済情勢を左右することになりました。

1980年代後半にはサウジアラビアが石油価格公示をやめ実勢価格に近いスポット価格となり現在基準となるのはドバイ原油、オマーン原油、ブレンド原油が指標となっています。

1999年には原油価格が暴落、その後2000年代に入りイラク戦争から世界情勢が不安定になり原油価格は上昇しました。

その後経済悪化、サブプライムローン問題後、原油価格は急落、2010年には再上昇するなど国際情勢に伴い石油価格は乱高下しているのです。

サウジアラビアの国家歳入

世界有数の産油国であるサウジアラビアは原油輸出で国家の8割の歳入を石油に依存しています。

しかし近年サウジアラビアの経済は低迷しており2016年の予算発表によると約10兆円の財政赤字となっているのです。

この原因は原油価格の下落によるものでありサウジアラビアの石油依存経済の先行きに打撃を与えたのです。

これによりサウジアラビア財務省は財政改革を進めるとし、脱石油経済を目指し付加価値税など新しい税金の導入を検討しています。

またこれまで他国と比べると破格の値段であった水道や電気料金などを段階的に見直すことや罰金、手数料など国民への負担も考え始めています。

皇太子主導の新しい脱石油経済改革

サウジアラビアの若き皇太子ムハンマドサルマン氏は新しい経済改革ビジョン2030を発表しました。

これによると2030年まで石油依存経済から脱却し、各国からのさまざまな分野での投資、技術協力などを進めていくということなのです。

この目標のため国営企業であるサウジアラムコの新規株式を公開、民営化し透明性の向上等発表しサウジアラビアの経済情勢の立て直しをはかる予定です。

まとめ

サウジアラビアが恐れているのは原油価格の低迷だけではなく将来訪れる石油の枯渇後の国家財政が不安定になることです。

脱石油を目指して発表されたサウジビジョン2030では国王が来日するなどして日本からの投資や技術協力を求めています。

次世代の若い皇太子を責任者とし人口増加やサウド家王室内の情勢不安を取りのぞくため経済改革を進めているのです。

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