サウジアラビアは、中東に位置するイスラム教を国教とする国家です。
そのため、教育においてもイスラム教に基づく教育が行われています。
しかし、現代的な教育制度や教育政策の取り組みも進んでおり、その点について紹介したいと思います。
サウジアラビアの教育制度
サウジアラビアの教育制度は、基礎教育、中等教育、高等教育の3つに分かれています。
基礎教育は6年間、中等教育は3年間、高等教育は4年間から6年間の課程が用意されています。
また、性別によって別々の学校が用意されているため、男子校と女子校が存在します。
一方で、サウジアラビアではイスラム教を基盤とした教育が行われています。
そのため、クルアーンやイスラム教の教えを中心にした教育が展開され、教育目標として「真理を探求すること」「知識を尊重すること」「国家を愛し、忠誠を誓うこと」「善行を行い、貢献すること」が掲げられています。
サウジアラビアの教育政策
サウジアラビアでは、2018年に「サウジビジョン2030」という国家プロジェクトが開始されました。
このプロジェクトは、経済的な発展や社会的な進歩を目指すものであり、教育分野においても大きな変革が行われています。
具体的な取り組みとしては、小学校1年生からクルアーンの暗唱を開始することや、高校生に対して海外留学の機会を提供すること、教育機関のデジタル化の推進などが挙げられます。
また、女性の社会進出を促す政策として、女子教育の充実や女性が教師として働きやすい環境整備なども進んでいます。
まとめ
サウジアラビアの教育制度は、イスラム教を基盤としたものであり、男女別々の学校が用意されています。
一方で、サウジビジョン2030に基づいた教育政策の推進によって、小学校から大学までの教育の質の向上や、デジタル技術の導入による教育機関の効率化などが進んでいます。
女性の社会進出に対しても、女性教育の充実や働きやすい環境整備が進んでいます。
しかし、一方でサウジアラビアの教育制度には課題もあります。
たとえば、イスラム教に基づく教育が行われるため、自由な思考や表現の自由が制限されることがある点が挙げられます。
また、性別によって学校が分かれることによる男女格差や、女性の社会進出に対する社会的な障壁も依然として存在しています
サウジアラビアの教育制度と教育政策には、良い点もあれば課題もあるということがわかります。
しかしながら、国家プロジェクトによって取り組みが進んでいるため、今後ますます進化していくことが期待されます。