イスラム教徒の五行とは実行するべき義務で、信仰告白、礼拝、喜捨、断食、巡礼です。
巡礼は病人や妊婦、高齢の人など免除される人もいますが、一生に一度はメッカへの巡礼を行うべきとされています。
サウジアラビアにあるイスラム教の聖地であるメッカ大巡礼、小巡礼を説明いたします。
イスラム教に課せられている義務とは
イスラム教徒は五行の義務としてしなければならない5つの行為のことです。
信仰告白は「アッラーの他に神はなし、ムハンマドはアッラーの使徒である」です。
アラビア語で「ラーイラーハイッラッラー、ムハンマドラスールッラ」と唱えます。
イスラム教徒に改宗する場合は最低この文言を唱えることができればイスラム教に改宗できます。
同時にイスラム教徒は必ずこの文言がアラビア語で唱えられるはずですので、イスラム教徒という証明にもなるのです。
礼拝は1日5回、メッカの方向に向かってお祈りすることをいいます。
場所はモスクでなくてもよく、家の中、道端、外出先などいる場所で行えばいいのです。
そのためイスラム教徒は必ずメッカの方角がわかるよう方位磁石など方位がわかるものを持っています。
中東のモールや空港では必ずプレールームというお祈りするための部屋がありますしホテルの部屋にはメッカの方向を記したシールが貼ってあります。
お祈りのためのモスクはすべてメッカの方向を向いているので土地に対して斜めに建設されていることも多いのです。
喜捨は寄付で、裕福な人は毎年ラマダンの時期にはモスクの建設資金を寄付する人もいます。
サウジアラビアのモスクではラマダン月という断食月の夜になると貧困者のために炊き出しが行われています。
断食は、1年のうちのラマダンという月に行われ、日中日があるうちは飲食や飲み物などすべてものを口に入れないという苦行です。
この月は裕福な人も貧困の人も神の前では平等であるとともに、貧しい人の気持ちを理解し寄り添うためにイスラム教徒はみな断食を行います。
サウジアラビアは断食については特に厳しくラマダン月の日中はレストラン、カフェなどはすべて閉店しているのです。
メッカへの巡礼
五行のうちの最後の一つがメッカ巡礼です。
ヒジュラ暦の最後の月、12月の8日から10日の日にメッカへの巡礼を行います。
サウジアラビアでは巡礼はハッジといい、巡礼に行く日はハッジ休暇として会社公的機関などは休みになります。
メッカへの巡礼はイスラム教徒は一生のうち一度は行うことを奨励されています。
しかしメッカ巡礼はお寺にお参りするのと違い、かなり体力を消耗する巡礼なので健康な状態でなければ行くことができません。
イスラム教徒にとってメッカ巡礼は人生の最大の目標であり、メッカ巡礼を済ませた人はハージュという尊称をもらえるのです。
ハッジの月だけではなく普通の日にも巡礼することはでき、ハッジが大巡礼、普通の日は小巡礼といいます。
まとめ
イスラム教徒にとって五行の中の巡礼は人生の中で大きな目標であり、一度でも巡礼を済ませている人は尊敬されています。
巡礼は時間と体力が必要なため、健康な体だけではなく、強靭な精神力が必要ですし、サウジアラビアのメッカに行くための旅費なども必要になります。
どうしてもメッカに行くことができない人はメッカの聖水ザムザム水を体につけて清めている人もいるのです。