サウジアラビアは原油の産出国として日本で国名を知らない人はいないくらい有名です。
しかしサウジアラビアの文化や習慣、サウジアラビア人の生活、言葉など詳しく知っている人は少ないのではないでしょうか?
サウジアラビアと日本の文化、習慣の大きな違いについて7年滞在した経験から徹底解説いたします。
営業時間中にお祈り?
サウジアラビアの国教はイスラム教であり、公式にはサウジアラビア国民はイスラム教徒だけということになっています。
実際仕事で駐在していたり、出稼ぎの外国人以外はイスラム教徒と考えてよいでしょう。
仕事などで滞在している外国人などはキリスト教や仏教などもいますが、サウジアラビア国内ではイスラム教の戒律を守らなければならないことが多々あります。
サウジアラビアだけで行っている習慣はお祈りの時間にはお店はすべて閉まるということが挙げられます。
お祈りの時間はサラータイムといい、1日に5回ありその時間になるとアザーンというお祈りを始めましょうという放送が聞こえてきます。
サラータイムは店の営業時間内には3-4回あります。
開店時間内の一番初めの時間はお昼12時前くらいの時間帯で日の入り時間によって変わるため、サラータイムも11時半から12時半で変動します。
スーパーは朝8時頃から、モールは10時から開いていますが、必ず昼のサラータイムには一度閉まります。
サラータイムはお祈りの時間なので公式的にイスラム教しかいないサウジアラビアではみんなお祈りするために営業を終わらなければならないのです。
サラータイムが始まる前に店を閉めなければ、宗教警察のムタワの取り締まりに合い、守っていないとライセンスを取り上げられてしまうのです。
例え客が買い物中であっても、サラータイムが始まるとシャッターは閉められ店から追い出されてしまいます。
レジ担当は客が並んでいてもサラーの呼び声がかかるといなくなります。
お客様は神様ですという文化に慣れ親しんだ日本人からすると習慣の違いに驚くことでしょう。
モールもレストランもスーパーもすべてサラータイムには店を閉め午後からはスーパー、ファーストフードのみ営業でその他は午後からの営業になります。
このサラータイムのおかげでいつもイライラしながら買い物をするため買い物が早くなるという習慣がつくでしょう。
店が二部制であるのはサウジアラビアの気候が暑いため夜出かける習慣があるということもあります。
レディーファーストの違い
欧米などでは女性がいたら道を開けてくれたりエレベーターで先に乗せてくれたり等のレディーファースト文化に触れることがあります。
サウジアラビアでは厳格なイスラム教ですので、女性に声をかけたり笑顔譲るという方法ではありませんがレディーファーストがあります。
サウジアラビアの出稼ぎ労働者の多くは男性であり、様々な店や公共機関、空港カウンター等の列は男性が並んでいることが多いです。
その列の後ろに女性が来ると列は不思議と静かに自然に2つに分かれ女性を先に通してくれるのです。
イスラム教では女性は守るべき弱い立場であり、アバヤを着た女性は親族以外の男性と話すことはないという戒律であり文化があります。
欧米とのレディーファーストと少し違いますが、男性も女性もサウジアラビアの習慣は認識しているので守るべき女性を静かに先に通してくれるのです。
インシャアラーは口癖
サウジアラビアではお店で、薬屋で、公的機関で、よくインシャアラーが聞かれます。
インシャアラーは神さまが望むままにというような意味で、約束などの時によく聞かれます。
例えば明日8時にお願いします。の答えにインシャアラーと返され、その答えは神さまが望むなら8時には大丈夫という意味です。
裏返せば8時に用意されていなくてもそれは神さまが望まなかったのだろうということになるのです。
インシャアラーは友人との間、会社、様々なところで使われている言葉の習慣なのです。
まとめ
サウジアラビアと日本は同じアジアに属していますが、その違いは宗教だけではなく、根本的に習慣、文化など大きく違います。
気候風土も大きく違うので、民族衣装も異なりますし、国土は砂漠が多くを占めており風景が全く違います。
文化や習慣の大きな違いに驚く点がありますが、意外にもサウジアラビアの料理はマイルドで日本人の口に合うということも驚きのポイントなのです。