サウジアラビアはイスラム教の聖典コーランが法律となっているため憲法はありません。
憲法とは国の統治権など根本的な原則を定めるもので法典化されているものをいいます。
サウジアラビアで法律として使われているコーランでは女性の扱いはどのようになっているのか説明いたします。
サウジアラビアの法律であるイスラム法とは
イスラム法はアラビアの世界ではシャーリアと呼ばれています。
シャーリアの中にコーラン、スンナ、キャース、イジュマーの四大教典があります。
コーランはイスラム教の聖典であり一番権威が強く、スンナは預言者ムハンマドの言行、承認した行いなどが記されています。
キャースは神様はどのように類推、判断されるか、イジュマーは同意、合意で宗教指導者等が集まり議論が一致するものです。
イスラム社会では部族が力を持っていますし、宗教指導者は尊敬されているので小さなもめ事は地域内で解決することもあります。
イスラム法をどのように解釈するかは地域によって違うことが多くサウジアラビアの法律としての解釈は他のイスラム社会より厳しいです。
サウジアラビアのイスラム法の歴史
イスラム法の中でもイスラム教徒の9割を占めるスンニ派とシーア派では見解が違ってきます。
イスラム法の中でイスラム女性に大きな影響を与えるものはコーランとハディースと言われています。
ハディースはムハンマドが実際日常生活の中で語った行動についての言葉です。
イスラム教が生まれる前のサウジアラビアは部族社会中心で秩序がなく男性支配の世界でした。
イスラム法が拡大するにつれ社会秩序がもたらされましたが女性の権利は極端に制限されていました。
初期のイスラム法では女性の立場を向上されるために、女性にもある程度の権利を求める動きもあったのです。
しかし長い歴史の中でイスラム国家は常に暴力による独裁の影響を受け植民地化されたり君主制になったりしています。
その結果ほとんどのイスラム教徒の男性は家父長制原則の考え方になっていったのです。
現在のサウジアラビアの女性
現在、サウジアラビアの家族は男性優位と言わざるを言えません。
なぜなら女性1人の権利は少なく、女性だけでは家も借りられず、携帯電話も契約できないのです。
結婚後は男の子を最低1人は産んでおくべきで、なぜかというと主人が先に亡くなると身元引受人は遠くの男性の親戚になるからなのです。
伝統的な考え方のイスラム教徒の男性はその解釈を女性を保護するためのものだと言っているのです。
まとめ
サウジアラビアの女性は黒いアバヤを着用し頭にはヒジャブという黒い布を巻き付けいるため遠めにみるとまるで影のようです。
伝統的なイスラム社会では今でもイスラム女性を支配下に置き外に出ることがほとんどない女性もいます。
法律は簡単に変えられませんが女性の教育の改善や情報化社会の中で少しずつイスラム教徒の女性の権利が増えるよう熱心に取り組んでいる人もいるのです。