サウジアラビアのすべての女性、またサウジアラビアに入国する外国人の成人女性は民族衣装を着用することが義務付けられています。
特に女性に対しての民族衣装着用はかなり厳しく、ラマダン、ハジなどの宗教時期により民族衣装が華美になることも禁止されます。
サウジアラビアの天候にも対応している男女の民族衣装について徹底解説していきます。
中東の男性が着用する民族衣装
日本の民族衣装は着物や袴ですが、これらは普段着用することはなく、儀式やお正月など特別な時だけ着るものです。
中東に来てまず驚くことは私達が来ている洋服とは全く違う民族衣装を中東の男性、女性が普段着ているということではないでしょうか?
ドバイやオマーンの空港などで目につくのは男性女性ともに足首までの丈の長いドレスのようなものを着ている中東の人達です。
体格がよいアラブの人がこの民族衣装を着るととても優雅に見えます。
サウジアラビアの男性が着用している民族衣装はトーブといい、白いシャツで長さが足首まであるものをいいます。
オマーンやUAEではディスターシャという名前になります。
トーブやディスターシャは中東で着用されていますが、襟の形、色に少し違いがあります。
サウジアラビアでは普通のワイシャツのような襟で色は白、オマーンやUAEでは襟が詰襟、ボタンと房飾りがついており色は白、クリーム、グレーなどです。
余談ですがアラブの男性は香水好きな人が多く襟についている房飾りにアラブの香水をしみこませておしゃれを楽しんでいるのです。
素材は伝統的なものはコットンが多いですが、最近はアイロンをかけなくてもよいポリエステルが好まれています。
高級な素材は日本製の物が多く、生地市場に行くとメイドインジャパンの生地は人気があります。
頭にはゴトラト呼ばれる白い布か赤白の布をかぶり黒い輪っかで止めています。
サウジアラビアの男性は赤白の模様の布が多くUAEやバーレーンは白の布、オマーンは帽子のようなもので地域により異なります。
中東の女性が着用する民族衣装
中東のイスラム教徒の女性は体の線が隠れる長袖で足首まであるコートのようなものを羽織っています。
サウジアラビアの民族衣装はアバヤと呼ばれ黒い布でできており素材はレーヨン、ポリエステルなどで透けない生地のものです。
地域や用途などにより形はいろいろあります。
リヤドは首都で風紀が厳しく常にムタワと呼ばれる宗教警察が服装に乱れがないか見回りしているためあまり華美ではありません。
ジェッダは巡礼などで世界中から人が集まるためおしゃれなアバヤが手に入ります。
華やかなビーズや刺繍で飾りつけられ、アバヤはウエストより少し上の位置で結んで少し体のラインを出すようなデザインのものもあります。
メイドさん等が着るアバヤは袖にゴムが入っており動きやすさ優先であり優雅さはないアバヤです。
刺繍が少ない一般的なアバヤは市場などで2000円くらいから購入でき、クリスタルビーズなどでの飾りがある高級アバヤは3-5万円のものもあります。
宗教心が高まる断食月や巡礼月には宗教警察の手入れが多く、市場では刺繍のアバヤは片付けられ真っ黒いアバヤだけしか買えない日もあります。
まとめ
サウジアラビアの民族衣装は男性はトーブ、女性はアバヤですので、街中に出ると人々の洋服にあまり色がないことがわかります。
子供は普通の洋服を着ていますが、女の子は6歳頃から黒いアバヤを着ますし、外国人女性は非イスラム教徒であってもアバヤを着用しているからです。
アバヤは中東の灼熱の太陽を遮ってくれますし、意外に涼しい素材なので着慣れるとアバヤでおしゃれを楽しむことができるのです。