サウジアラビアでは女性が運転できないということは世界では知られていませんでした。
2011年サウジアラビアの女性が抗議の運転動画をネット上にあげたことで世界に知られることとなり驚いた人も多いのではないでしょうか。
サウジアラビア国内で女性が運転を禁止されている理由をご説明します。
女性の運転禁止に対する抗議の動画
サウジアラビアは世界で唯一女性の運転を禁止している国です。
2011年、女性が運転を禁止されていることに抗議している動画が発信されて女性が運転を禁止されていることが有名になりました。
この問題を重くみた当局は、サウジアラビア国内で女性が運転している動画を発信した女性だけではなく、動画を撮影した男性も逮捕しました。
この際、逮捕した理由については明らかにされていないのです。
逮捕された人はすぐに釈放されましたが当時王立裁判所ではこのようなことを2度としないという誓約書にサインを求められたと語っています。
サウジアラビア国内では女性の自転車運転も禁止の理由
サウジアラビア国内では自動車だけではなく自転車も運転を禁止されています。
自転車については同国内で撮影された「少女は自転車に乗って」という映画でも自転車が禁止であることが取り上げられていたことでも有名です。
夏になると50度近くになるリヤド、冬でも30度近い紅海沿いのジェッダなど気候上も外歩きすることが難しいこともあり自転車移動している人はあまりいません。
しかし女性が自転車運転を禁止されている理由は気候の理由ではないのです。
サウジアラビアでは女性が激しい運動や振動などで体を動かすことにより純潔が失われると国内の聖職者が警告していました。
この警告を理由に自転車や自動車の運転だけでなく、公立の学校では体育の授業でさえ受けることができなかったのです。
しかし科学的に根拠がないということが証明されたこともあり禁止されていた体育の授業も受けられるようになってきたのです。
厳格なイスラムで有名なイランでも女性の自転車禁止
サウジアラビアと同じように厳格なイスラム教として知られているイランも同様に2016年女性の自転車が禁止されました。
イランは1970年代にはミニスカート等を着用していましたがイラン革命後風紀に厳しくなりました。
2016年には公共の場で女性が自転車に乗ることは公共良俗に反するという理由で禁止されたのです。
イランではサウジアラビアのようにアバヤは着用していませんが自転車に乗ることで服装が乱れるというのが大きな理由です。
サウジアラビアの理由とは少し違いますが、どちらもイスラムの厳格な考えの聖職者たちの意見により禁止されているのです。
まとめ
サウジアラビアでは2018年女性の運転を許可する決定を下し、アメリカやカナダなどですでに国際免許を持っている女性10人に運転免許証が発行されました。
しかし同時に女性の権利開放を求めている人権家が逮捕されるということも起きており国内のイスラム厳格者である聖職者の批判をかわす狙いもあると言われています。
サウジアラビアのサルマン皇太子はイスラム教の文化や宗教改革のため宗教警察に制限を出すなどして改革を進めているのです。