サウジアラビアで1980年代頃から映画館は禁止になっています。
日本では普通にできる映画鑑賞は禁止であり映画館で映画を見るということはできません。
サウジアラビアで映画鑑賞が禁止なのはなぜなのか?今はどうなのか?ご説明します。
集会の自由が禁止されている
イスラム教の戒律上サウジアラビアでは様々なことが禁止されています。
食ではアルコールや豚肉などが禁止ですし、洋服は女性は髪の毛や肌の露出禁止、男性であっても短パンは禁止です。
音楽は西洋の文化であることから海外からのCDの持ち込みも厳しくチェックされ税関では没収されることもあります。
サウジアラビア国内では音楽会、ミュージカル、なども禁止されているためコンサートや観劇などをする場所はありません。
コンサートなどを催す大きなホールは多くの人々が集うことになるため映画館も禁止されていました。
集会が禁止の理由
なぜ人が集まる集会が禁止なのでしょうか?
コンサート会場、映画館に多くの人が集まると男女が交流することになります。
公共の場で男女が集うということはイスラム教上許されず禁止なのです。
そのためサウジアラビアの遊園地は男性だけの日、女性だけの日、家族の日の入場日が設定されています。
例え家族で出かけたとしても遊園地が男性の日であれば妻と女の子はその日は遊園地で遊べないというように徹底的に男女交流はできないようにしてあるのです。
また多くの人が集まるとそれぞれの意見交換などをすることができ、日々の不満を話すなどして団結したり、王室批判にもなりかねません。
さらに映画は西洋の文化の象徴であり男女の交際が禁止されているサウジアラビアに西洋文化が入ることを嫌うイスラム保守層からの反対もあるのです。
サウジアラビアでは様々なことが禁止されており、映画館もその一つなのです。
35年ぶりに映画館開館
しかし2018年このような閉ざされたサウジアラビアにも映画館がオープンすることになりました。
その大きな理由は20代以下が多いサウジアラビアでは近年失業者が増えており若者の間で少しずつ不満を持つものも増えているということがあげられます。
以前のように給料がよく楽な仕事につける若者が少なくなってきているのです。
そのためサウジアラビア当局は国民の民意を政策に反映させるため映画館をオープンさせたのです。
サウジアラビアは近年脱石油政策を推し進めており、その先頭に立っているのは30代のムハンマド皇太子です。
まとめ
なぜこれまでサウジアラビアには映画館がなかったのかというとオイルマネーで国民の生活を満足させることができていたからだといえるのです。
しかしインターネットなどの進化により情報統制が難しくなったことにより王族の絶対権力の維持も難しくなってきているのです。
サウジアラビアの若者がなぜ国内で楽しめないのか、なぜ映画館すらないのか等団結させないよう民意を反映させることも重要な政策なのです。