日本では子供の頃には小学校などで道徳の授業がありますし、大人ではマナー講座に通うなどしています。
また日本独特の礼儀作法など、日常生活で行うものなどさまざまなマナーがあります。
サウジアラビアの国民のマナーはどのような感じなのかサウジアラビアで7年暮らした経験からサウジアラビア的マナーを紹介します。
日本の礼儀作法、マナーの歴史
日本のマナーが初めて生まれたのは聖徳太子の十七条の憲法にかかれている礼儀作法だと言われています。
当時はある程度の上流階級や貴族たちに向け和のすばらしさ、尊さを説いたもので朝廷、儀式でのマナー、礼儀作法などが書かれていました。
室町時代になり礼儀作法についてのさまざまな流派がうまれ、その後武士、庶民などそれぞれのマナーへと受け継がれていきました。
日本人のマナーは生活シーンで様々ですが、一番重要といえるのが挨拶です。
挨拶だけでもいろいろな形があります。
相手に対してお辞儀の角度は3種類ありますし、敬礼する際の手の位置、また座った時の礼の仕方など様々です。
また手紙を書く際の挨拶には、本文に入る前に、時候の挨拶として季節によりいろいろな文章を書き添えたりします。
日本語としてのマナーも多々あります。
敬語、謙譲語など外国人には理解するのは時間がかかる使い分けなどがあり日本の伝統的なマナーといえます。
サウジアラビアのマナー
サウジアラビアの学校では日本の学校にある道徳という授業科目はありません。
ではいつ日常生活や社会生活に必要なマナーを学ぶのかというと、すべてはコーランから習うのです。
そのためサウジアラビアの学校ではコーランの授業が1週間に何時間もあるのです。
コーランを暗唱したり、内容を理解する授業等がありその中でコーランの内容について学ぶ時間が日本の道徳の時間にあたるのです。
イスラム教におけるマナーは「アダブ」と呼ばれ、古来のしきたり、マナー、モラル、倫理、礼儀、良識、正義と訳すことができます。
このアダブを実行する場合に一番重要なことは、うそ、偽善、ねたみ等を慎むことだとしています。
また日常生活のマナーとして生活のあらゆる側面に対して倫理的な規範があります。
座る時の姿勢、身を清める時の行為、洗面所への出入り方、食事の仕方、挨拶の仕方など様々なことが事細かに書かれています。
例えば人と出会った時の挨拶のマナーとしては、「アッサラームアレイクム あなたの上に平安あれ」と言い「ワサラーム あなたにも」と答えるという感じです。
またイスラム教の五行であるお祈りの前にすることとして、口ひげ、脇毛の除去、爪を切る、鼻、口、歯、体を洗うなども決められているのです。
まとめ
日本での道徳の授業は学校生活、社会生活に対するマナーについて学ぶことが多く日常生活のついては家庭でのしつけになります。
サウジアラビアでは家庭でのしつけもありますが、学校や家で聖典であるコーランを毎日読み理解することにより深くマナーを学んでいるのです。
日本とサウジアラビア、距離的にはとても遠いですが両親を大切にする、食事の前の挨拶、など似ているマナーも多くあり興味深いのです。