サウジアラビアは有数の産油国であることは有名ですが、出生率も高く若い世代が多いことでも有名です。
高齢化社会の日本から見れば若者が多く問題点があるようには思わないかもしれません。
若者増加の裕福な国サウジアラビアで数々の問題点が山積しているのはなぜか説明します。
目次
労働人口が増えるサウジアラビア
少子高齢化の日本は人口減少、経済規模の減少、自治体や社会保障制度の破たんなど様々な問題点を抱えています。
逆に出生率が高く、労働人口がどんどん増えているサウジアラビアは活気があふれ問題点などないと感じられます。
しかしサウジアラビア人の労働人口が多いサウジの事情は少し違うのです。
若者が多いサウジアラビアでは国内に次々に新しいビルやモールなどが建設されています。
また多くの外国企業も誘致され、首都リヤドやジッダなどでは外国企業が集まったビルなども次々誕生しています。
2018年には様々な分野の海外企業の誘致支援についてのビジネスフォーラムがリヤドで開かれています。
働く場所はたくさんあるのにサウジアラビアの若者の失業率は増えており、若者が働かない原因が問題点となっているのです。
恵まれている若者世代
今20-30代の若者は石油の恩恵を受けている人達です。
サウジアラビア国内では消費税や住民税、所得税などの税金はありません。
またサウジアラビア国民は国立の施設であれば、医療費や教育費は全くかからないのです。
海外に留学する場合は現地の学費の他に、月々の生活費が支給されるのです。
結婚時には住宅をいただけますし、公務員として働くことができれば、退職後も十分な年金をもらうことができるのです。
サウジアラビアの若者の高い失業率という問題点
しかしサウジアラビアの公務員として働ける人数は限られています。
国内産業があまりないサウジアラビアでは、他の若者たちは外国企業に務めなければなりません。
外国企業側は優秀な人材を求めており、給与体系などもサウジアラビアの公務員に比べると厳しくなっています。
サウダイゼーションという民間企業におけるサウジアラビア人の雇用を促す国家政策もまた問題点となっています。
出稼ぎ労働者に比べて賃金体系が高く残業や転勤などを好まないサウジアラビア人を雇うことは外国企業にとってはコスト増となるためです。
結果的にサウジアラビア人の働く場は出稼ぎ労働者たちに奪われ高い失業率になっているのです。
まとめ
サウジアラビアの問題点は労働人口の増加と若者が働きたい場所のバランスが取れていないことが大きな問題点です。
出稼ぎ労働者に比べ賃金が高いことに加え、サウジアラビア女性の社会進出が遅れていることもあります。
脱石油に向けて経済改革しているサウジアラビアは様々な国内産業を育てることが急務だといえるのです。